ポリプロピレン

概略

略記号:PP

英語名:polypropylene

化学式:

ポリプロピレン

 

  • プロピレンの重合体で結晶性樹脂。
  • メチル基の配列で立体規則性がある。
  • 基本的に成形材料には剛性が高く、融点の高くなる高結晶化度成分が重要。
  • ポリプロピレンは、高密度ポリエチレン(HDPE)と比較して耐熱性・強度・剛性は大きいが耐衝撃性は小さい。

特性

  • 高密度ポリエチレン(HDPE)と似た性質を持っている。
  • 分子量、分子量分布、立体規則性、添加剤によって性質が変化する。
  • 比重が0.90~0.91と汎用プラスチックではもっとも軽い分類となる。
  • 機械的強度が大きく、耐熱性にすぐれており荷重たわみ温度が高い。
  • 結晶性樹脂であり、ホモポリマーは、半透明ないし不透明である。
  • 薄肉成形品を急冷したり、核剤を添加することで透明成形品を製造することが可能。またランタムコポリマーは透明。
  • ポリエチレンと比較して、耐ストレスクラッキング性が良い。
  • 流動性が良好で、薄物や複雑形状物が成形できる。
  • 成形収縮率はポリエチレンより小さく、また、縦、横の成形収縮率の差が小さくバランスが良好。
  • 荷重たわみ温度(0.45MPa)は約120℃であるが、低荷重の場合は100℃以上でも使用できる。
  • 常温では硝酸、鉱物油を除き有機溶剤等の耐薬品性は良好な耐性があり、ソルベントクラック現象はほとんどない。
  • 80℃以上では、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素及び四塩化炭素などの塩素化水素には溶解する。
  • 融点が165℃で、蒸気消毒をする衛生器具に適しており、沸騰水中での使用も可能。
  • 銅およびその合金に接触した状態で高温になると劣化が促進される(銅害)ので、このような用途には対応する添加剤が配合される。
  • 耐候性・耐酸化劣化性が悪い。
  • 耐候性は高密度ポリエチレン(HDPE)に比較してよくない。屋外用途の場合には光安定剤、紫外線吸収剤を配合したものを使用して、一般グレードには、成形時の安定性保持のために抗酸化剤が配合されている。
  • 低温特性が悪い(特にホモポリマー)
  • 低温衝撃強さが高密度ポリエチレン(HDPE)と比較して弱いため、改良した共重合体がある。
  • 成形収縮率が大きい。
  • 射出成形温度は200~280℃(通常230~260℃)で行い、流れは射出圧力によって大きく変化するため圧力を高くする。(70MPa)
  • 金型温度が高いほど成形収縮が大きくなり、60℃で1.8%となる。
  • 可燃性で燃焼カロリーが高い
性質単位ポリプロピレン共重合体
比重0.902~0.9060.89~0.905
吸水率%<0.01<0.01~0.03
引張強さMPa30~3920~30
引張伸び%200~700200~700
圧縮強さMPa38~5626~56
曲げ強さMPa42~5635~50
アイゾット衝撃強さ
(ノッチ付)
J/m30~11060~1,100
ロックウェル硬さR85~110R50~96
連続耐熱温度121~16088~116
荷重たわみ温度
(0.45MPa)
93~11085~110
体積固有抵抗Ω・cm>10161017
誘電率106Hz2.2~2.62.24~2.3
絶縁破壊強さkV/mm19.7~26.019.7~26.0
透明度透明~不透明

耐薬品性

ポリプロピレン

製法

  •  原料となるプロピレンは、ナフサなどの石油留分を分解したガスより分離されたものを使用する。
  • 製造には、触媒として多くのものが実用化されているが、トリエチルアルミニウムと塩化チタン(Ⅲ)のナッタ型触媒によって作られたものが多く、アイソタクチックポリプロピレンを高収率で得ることが出来る。

構造

  • 平均分子量:4万~30万
  • メルトインデックス:0.2~30

 アイソタクチックポリプロピレンの構造
アイソタクチックPPの構造

利用用途

  •  軽量カップ、給食用食器
  •  不織布マスク
  • ペットボトルのキャップ
  • 収納ボックス
  • PPバンド、電線結束バンド
  • 化学品・哺乳瓶等の容器
  • 農産物の収穫コンテナ
  • 医療用のディスポーザル器具
  • 自動車分野(バンパー、インストルメントパネル、ラジエータファン、ラジエータグリル、フロントグリル、ジャンクション・ブロックケース)
  • 各種家電の部品